瓶子デザイン事務所の代表にインタビュー

今回は、現在フリーで、WebやCDジャケットのデザイナーとして活躍されている瓶子さんにお話を聞きました。大学を卒業して、すぐに就職ではなく独立して活躍することを選択した背景や、営業についての考えを語っていただきました。
作品例:飛び出す年賀状1作品例:飛び出す年賀状2
– 今日はよろしくお願いします。


先ほど頂戴した名刺のデザインはとても気を引きますね。

自分自身がデザインに関わっているので、名刺を出すと「おっ」ってよく言われる。最近は名刺の依頼とかもきたりして、サックスを吹いているデザインの名刺とかも作ったの(作品例1)(作品例2)。

- 仕事の受注状況を教えていただけますか?

仕事が無くて困っているってことは無いんだけど、一件あたりの金額が高くないのでそういう面では困っていないわけでもないかな。

- 仕事ってどうやってもらっているんですか?

デザイン会社からの下請けで受けるときもあるし、直接受けるときもあるけど、最近の状況だと後者の割合のほうが大きいのかな。下請けでやる場合は、やはりコンペみたいになってて、最終的に見てみたら自分の物じゃなかったものもあるけど、まぁお金はもらえるし、当然自分の能力が足りなかったってことだから仕方ないよね。

- 営業活動とかされているんですか?

今は、既存のお客さんからの紹介がメインかな。知らない人と仕事をするのは抵抗があるし。代金の滞納とかが発生しても、やっぱり紹介者がいるので最終的には払ってくれますね。夜逃げとかありましたけどね。
最近の仕事とかも、お客さんのところに出入りしていたときに、たまたま知り合った人から、数ヵ月後に急に連絡をもらったりしたし。そんなに(金額が)高くなくて柔軟に対応してくれるところってあまり無いんじゃないかな。

- そのネットワークはどうやって広げてこられたんですか?

広げようとして何かをするってことは無いかな。まぁ合コンした相手の会社からもらったこともあったけど(笑)。むしろ、小学校から大学までの友人が比較的身近にいることが大きいかな。それに大学の先生の紹介もあるし。

- 2,3回の面識でも仕事をもらえるものなんですか?

そういう場合もあるのかな。たとえば、あるお客さんのCDジャケットデザインしていたときに、たまたま他の人も参加している打ち合わせで、「実は、パッケージよりもWebデザインの方が本業なんですよね」って話をしたら、「じゃぁ、うちのレーベルのサイトもお願い」って言われたこともあるし。ホームページとかパッケージって、ずっと残るものだから、それだけでも宣伝になるしね。

- 自分で活動しながらしっかり稼いでいけるってすごいですね

でも、お給料はそんなにないよ・・・新卒ぐらいかな。でも、年収1000万だったとしても、会社勤めよりは自分でやっていきたいな(もちろん、仕事の内容にもよるけど)。最近は変わってきているんだろうけど、何時から何時までって拘束されて仕事をするよりも、自分の体のリズムとかを大切にしていきたいし。以前に会社に勤めていたときは、仕事中によく眠くなったんだけど、今は同じ事やってても眠くならないんだよね。
– 作品を作り上げる上で、センスや感性はどうやって磨いてこられたんですか?
これまでの生活の中で得た経験が重要だと思うな。両親が音楽に関心を持ってて、それで小さいときからいろんな音楽に触れる環境があったのは大きいかな。
現時点の話で言うと、海外旅行に行っていろいろ刺激を受けることかな。あと、民放テレビは見ないようにしてて、ドキュメンタリー系やBSをみるかな。宗教的な儀式の特集とかしていておもしろいし。民放のテレビを見る人は、何を求めてるんだろう?
– いろんなことに関心を持つことができるコツみたいなものはありますか?
今の趣味は、他の人の影響で自分の趣味になったことが多いから、自分が知らない他人の趣味に興味を持ったらいいんじゃないかな?今、歌舞伎が好きになったのも、歌舞伎好きの人から影響を受けたし。
– 交友関係も広いですよね?
友達が多いって言われるけど、そういうわけでもないんだよね。気軽に会える距離に小学校から大学までの友達がいるから、今は友達が多くなっただけだし。
ただ、自分が知らない人の集団の中にも飛び込むようにはしてる。知っている人とだけ遊ぶっていうのもね…
– 最後にお聞きしますが、今後も一人でやっていかれるんですか?

会社に勤めるってことはあまり考えてなくて、マイペースでやっていきたいな。それで、あまり干渉せずに家を用意してくれる人と結婚とか(笑)。そういう面では、結婚して子供ができたときに、辞めなくちゃいけないかもって考えることが嫌だっていうのも理由かな。今の状況だったら、子供ができたら少しペースを落としてって調整できるし。

- 海外旅行に頻繁にいっていると伺っていますが、海外展開は考えていないんですか?

ニューヨークは好きだし、よく行くので仕事はやってみたいけど、フリーで活動するのは難しそうだし会社に勤めちゃうとWebデザイナーしかできなくなるし・・・興味はあるけどね。

どうも、ありがとうございました。
一人で活躍するためには、評価される作品を提供するだけでは難しく、営業活動や代金回収など企業活動全般についてのノウハウが必要であり、いろいろな社会から積極的に刺激を求めて自身の感性を磨く姿勢が大切であることを実感したインタビューでした。

■プロフィール
瓶子可南子(Heishi Kanako)
1984年1月23日 福島県生まれ、東京育ち。
言葉を覚えるより先にPCやゲームの扱いを覚える。
2006年早稲田大学第二文学部表現芸術専修卒業。
現在、瓶子デザイン事務所代表。
http://www.heishidesign.com

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